住まいのコラム

家の外壁はタイル張り?外壁塗装の種類別にメリット・デメリットを確認

タイル張り住宅イメージ

選び方ひとつで家の印象を大きく変える外壁材は慎重に選びたいものですが、種類が複数あるため迷いやすいでしょう。

この記事では、家の外壁のオプション選びに向けて、タイルやそのほかの材質を比較検討したいと考えている人に、外壁材の種類やそれぞれのメリット、デメリットについて解説します。外壁をタイルにするべきかを決める際の判断材料となるため、参考にしてください。

外壁材の種類

外壁材の種類

日本で一般的に使用されている外壁材は、大きく分けて3種類です。ここでは、それぞれの特徴を具体的に紹介します。

タイル

タイルとは土や石などの自然素材を高温で焼き固めたものをいいます。レンガのサイズをもとにつくられた「二丁掛」や、二丁掛より細い「ボーダータイル」など、種類によって大きさや形はさまざまです。

また、色も豊富でレンガ色のほかに白や黒、茶色などがあります。さらに、施工の際の使用方法も種類によって変わり、貼り付けの際にモルタルを使うものや専用の接着剤を使用するタイプもあります。

サイディング

日本の住宅で最も多く使用されている外壁材がサイディングです。サイディングには窯業系、金属系、樹脂系、木質系の種類があり、セメントに繊維質の素材を混ぜて板状に加工した窯業系サイディングが一番バリエーションも豊富で多く使用されています。リフォームでは重量の軽い金属系サイディングがおすすめです。

施工の際は家の外側から貼り付けていくため、ほかの工法よりも作業が手軽です。

モルタル

モルタルとは砂と水を混ぜたセメントをいい、モルタルの外壁とはいわゆる塗り壁のことです。塗り壁は日本で古くから行われていた工法で、サイディングが主流となる前は、モルタルを外壁に使用した住宅が多くみられました。

モルタルにはブロックなどを積み上げる際の接着や、壁面にタイルなどを付ける際の下地といった役割がありますが、土などの下地に重ねて塗って外壁材としても使用します。

外壁をタイルにするメリットとは?

外壁をタイルにするメリットとは?

タイルを外壁にするメリットとは何でしょうか。ここでは、外壁をタイルにするメリットを4つ紹介します。

高級感が出る

タイルはデザイン性が高く、見た目に華やかさがあるため、ほかの素材と比べて高級感が出やすい外壁材です。また、落ち着いた雰囲気があることから、重厚感のある外観もつくれます。重厚感は、タイル風のものでは表現できない本物ならではの魅力です。さらに、年月を経ると独特な風情が出ます。

デザインが豊富

デザインが多様で、自分の好みにあった雰囲気の家づくりを楽しめる点もタイルの魅力です。レンガ調のものや、個性のある色合いのものなど選択肢は幅広く、建てる家のコンセプトにあわせてタイル選びができます。

素朴なデザインのタイルを使って、シンプルでモダンなスタイルの家をつくったり、木目調や石の模様のタイルでオリジナリティの高い家に仕上げたりすることも可能です。

メンテナンスにかかる費用が少なめ

タイルは、メンテナンスの費用を抑えたい人にとって魅力的な外壁材でもあります。自然素材でつくられているため屋外でも劣化しにくく、サイディングの半額程度のメンテナンス費用で済むことが一般的です。

タイルのメンテナンスが必要となるまでの期間は30年ほどで、ほかの外壁材よりも長く、メンテナンスの頻度が低い分、費用の負担が軽くなります。

傷がつきにくく、汚れが目立たたない

タイルは石などを焼き固めてつくられているものであるため、素材全体が非常に硬く頑丈で傷も付きにくくなっています。選ぶ色などによって異なりますが、多くの場合は多少の傷や汚れが付いても目立ちにくく、建てたときの状態を長く保ちやすい点も魅力です。

汚れが目立たない分、ほかの外壁材と比べて掃除の手間も省けるでしょう。

外壁をタイルにするデメリットとは?

外壁をタイルにするデメリットとは?

外壁をタイルにすることにはメリットがある反面、注意しなければならない点もあります。ここでは、主なデメリットを3つ紹介します。

初期費用が高め

タイルはおしゃれな素材である分、ほかの外壁材と比べて価格が高めです。また、タイルを1つずつ貼り付けていく施工方法で、手間がかかります。そのため、メンテナンス費用は抑えられますが、初期費用はほかの外壁材よりも高くなりやすいです。

一般的には、タイルのほうがサイディングより2倍程度高い料金がかかります。ただし、メンテナンス費用も含めて長期的な視点でみると、タイルのほうがお得になるケースが多い傾向です。

職人の腕によって耐久性に差が出やすい

タイルの施工は職人による手作業です。そのため、職人によって完成度の差が出やすく、場合によっては耐久性が劣ってしまうこともあります。

外壁材にタイルを使用するのであれば、過去の実績や口コミなどを参考にしたうえで、腕のよい職人に依頼することが重要です。職人の技術による差が出ないように施工方法を工夫している企業もあるため、上手に利用するとよいでしょう。

落下する可能性がある

手作業で貼り付けるタイルは、職人の腕が悪いと地震の揺れなどにより壁から剥がれ落下する可能性があります。

特に注意したいのが、貼り付けの下地にモルタルを使用している工法の場合です。モルタルは弾力性が低いため、建物が揺れたときに振動を吸収できず、揺れの負担がそのままタイルにかかって、タイルが破損したり剥がれ落ちたりすることがあります。

タイルのメンテナンス方法と費用の目安

タイルのメンテナンス方法と費用の目安

タイルの外壁を少しでも長持ちさせるためにはメンテナンスが必要です。ここでは、主なメンテナンス方法と費用の目安について解説します。

交換工事

新しいタイルとの交換工事は、タイルのつなぎ目に使用されているモルタル目地の劣化が出てくる10年を目安に行います。交換はすべてのタイルに行う必要はなく、ひび割れや剥がれなどが発生しているものだけに行えば十分です。

モルタルを使った圧着張りなどの場合には、交換したいタイルだけをヘラなどで剥がし、専用の接着剤で同じ場所に新しいタイルを貼り付けます。かかる費用は新たに貼り付けるタイルの種類や数によって異なります。

浮きの補修

タイルは、年月の経過とともに接着が弱くなって浮き上がることがあります。浮きの補修は5年~8年ごとに行うことが一般的です。目地を詰めている場合は紫外線による劣化のリスクが高いため、5年~8年おきにきちんと点検する必要があります。

モルタル目地のタイルを補修する際は継ぎ目である目地にシーリング材などを入れ、タイルの浮きで生じた空間をシーリング材で埋めたら、上から押さえつけてタイルを固定します。目地詰め施工の場合、目地に穴をあけ、そのなかにシーリング材を注入します。

シーリングの充填

目地とも呼ばれるタイル間の継ぎ目には、緩衝材の役割を持つシーリング(モルタル)材が詰められていて、外壁に衝撃などが加わっても損傷を最小限に抑えられるようになっています。シーリング(モルタル)材が劣化しているとタイルの破損につながる可能性があるため、補修が必要な場合には既存のコーキングを取り除き、新しいコーキングを詰め直しておかなければなりません。

また、特別な衝撃を受けなくても紫外線で劣化する恐れもあるため、5年~8年を目安に点検を行う必要があります。

洗浄

タイルは汚れにくい外壁材であるとはいえ、長く屋外で風雨にさらされていると砂埃などが目に付くようになります。汚れが目立つようになったら、柔らかいスポンジやブラシを使って外壁を洗いましょう。家が建つ環境によるものの、洗浄が必要となる目安は年1回程度です。

洗浄方法は基本的に水洗いで対応できます。ただし、外壁の汚れをしっかりと取り除くためには、噴射する水の衝撃を利用して汚れを落とす高圧洗浄が有効です。自分で洗浄することが難しい場合には、専門業者に依頼する方法もあります。

おすすめの外壁素材をタイプ別に紹介

おすすめの外壁素材をタイプ別に紹介

特徴もさまざまな外壁材選びで迷っている人に向けて、ここでは、住む人のタイプ別におすすめの外壁材を解説します。

耐久性とデザイン性を重視するならタイル

家を建てる際には性能も見た目も妥協したくないと考えている人に、おすすめの外壁材がタイルです。タイルは丈夫であるうえ高級感があり、独特な風情を出せます。さらに、デザインが豊富であるため、色などの選び方次第で家に個性を出し、おしゃれに見せることも可能です。

サイディングと比べると初期費用はかかりますが、メンテナンス費用は抑えられるため、長期的にみると総費用は高くつきません。また、タイル自体は滅多に壊れず、補修を行う箇所は目地程度であることなどから、メンテナンスの手間も少なくなります。このようなことから、建てる家に長く住む予定である人にもおすすめの外壁材です。

初期費用を抑えたいならサイディング

サイディングは、多くの住宅建築で採用されていて大量生産できる外壁材であるうえ、施工の際は貼り付けるだけで手軽です。そのため、材料費も人件費も抑えやすく、初期費用を安く済ませられます。このようなことから、サイディングは建築の初期費用を抑えたい人に適した外壁材です。

ただし、その後のメンテナンスではコストがかかりやすい点に、気を付けなければなりません。表面の塗装で防水機能を保たせているため、塗装が落ちると水がしみこみやすくなります。また、外壁材そのものも劣化しやすく、タイルと比べて早い時期に外壁材の交換や塗装のし直しといった、本格的なメンテナンスが必要となることが通常です。

職人の技にこだわりたいならモルタル

モルタルでつくった外壁は職人が手作業で塗り上げた独特な風合いが魅力です。仕上げのパターンが豊富にあるため、職人の技を借りて外壁を自分好みのデザインにしたい人には、モルタルがおすすめです。ただし、思った通りのデザインになるかは職人の腕にかかっています。そのため、職人選びを慎重にできる人の利用に適した外壁材です。

また、モルタルはセメントを混ぜてつくっているため防水性能が弱く、湿潤した壁が乾燥した際に収縮し、それを繰り返すとひび割れが発生しやすくなります。手作業で手間がかかる施工やひび割れなどによるメンテナンスの必要性から、コストがかかりやすい外壁材であるため、家の予算に余裕がある人向きです。

建物の部位別(又は場所別)のおすすめタイルとは

建物の部位別(又は場所別)のおすすめタイルとは

タイルを採用する場合、あわせてタイルの材質を検討することも必要です。ここでは、建物の部位や場所別に適したタイルの材質を解説します。

外壁に使うなら磁器質タイルがおすすめ

外壁に使うタイルは、劣化を少しでも防ぐために吸水しにくい素材を選ぶことが大切です。磁器質タイルなら吸水率は1%以下と低く劣化を抑えられます。特に寒冷地は、吸水率の高いタイルだと凍結により膨張してタイルが壊れる可能性があるため、材質の選び方に要注意です。

寒冷地以外は陶器質タイルも選択可能

寒冷地以外であれば、陶器質タイルの使用も可能です。磁器質タイルと比べると吸水率は高くなりますが、釉薬を塗ることで変色が起こりにくく劣化しにくいというメリットがあります。ただし、本来であれば室内で使うのにおすすめの建築素材です。

まとめ

まとめ

外壁材の性能も見た目もこだわりたいならタイルがおすすめです。他の外壁材よりも初期費用は高くつきますが、ランニングコストを抑えられます。

日本ハウスHDなら35年保証のオリジナルタイルがあり、施工の自由度が高く外壁デザインにもこだわれるほか、桧を使った独自の木造軸組工法と耐震施工により丈夫な家を建てられます。また、直営工事と一貫した担当窓口により、綿密にコミュニケーションを取りながら家づくりを進められる点も特徴です。

さらに、省エネにつながる家計にやさしいゼロエネ品質であるうえ、最長60年の長期保証制度があるなど、アフターサービスも充実していて入居後も安心です。興味がある人はカタログ請求や展示場見学をしてみてはいかがでしょうか。