
窓のおこし絵模型
ライフスタイル向上のための窓計画
窓を主体的に考える
窓は住宅において数少ない「動かせるエレメント」ですが、住まい手が設計段階で窓に関与する機会はほとんどありませんでした。
「茶室のおこし絵」に着想を得て、窓と住まいの空間を考える道具を用意し、皆が参加できる仕組みとしました。
自ら窓の位置や開き方に関わることで、住まいへの理解と愛着を深めることを目指しました。平面図に展開図を並べてカットするだけで、簡単に作ることができます。

「窓」を共通言語とする
設計の初期段階から住まい手と設計者が「窓」を共通言語として共有できる手法を模索する中で生まれました。CGでは伝えにくい開口部のスケール感や視線の抜け、風や光の動きを、より感覚的に共有する手段として、「茶室のおこし絵」のように立ち上がる簡易な紙模型=「窓のおこし絵模型」を活用します。

窓の開け方や位置を模擬的に体感
設計初期から子どもを含む住まい手と設計者が「窓」を共通の手がかりとすることで、感覚的に捉えながらも、より深く理解し主体的に考えるための手法を模索します。
図面やCGでは伝わりにくい光や風などの要素を、「窓のおこし絵模型」によって体験的に検討できます。
「窓のおこし絵模型」を通じた対話は、世代や家族構成の違いを越えて住空間イメージを形成する手段としても利用できます。

「窓を開けることの意味」の再発見
現代の住宅は高断熱・高気密化が進み、設備機器で快適性を担保しますが、その中で日常の「開ける・閉める」が暮らしの能動性を育てる行為につながります。
さらに、窓を介して外部とつながるという感覚が育まれることで、街との関係性や都市の風景のあり方にも波及する可能性があります。「窓は設計されるものではなく、住まい手が育てるもの」という思想のもとに、新たな住まいの在り方を提示いたします。
