ワザックHINOKI・
まちの景観としての檜のエントランス
集合住宅のエントランスをまちの木質景観に
住まいの個性、特に地域の景観としての魅力
集合住宅のエントランスは多くの場合避難経路であり、建築基準法により不燃材で仕上げる必要があります。
自然素材である木材の使用が制限され、現代的ではあるものの、均質・無機質な空間になることも多く、住まいの個性、特に地域の景観としての魅力が表れにくい領域となっています。

木造住宅で実践してきた檜のデザインを、集合住宅へ
「檜の暮らし(檜仕様の家)・2019年グッドデザイン賞」での経験も活かし、木材を構成要素として再解釈。光と影、凹凸、素材感を活かした構成により、視覚的・空間的な奥行きを持たせました。特に、光の角度や時間帯によって変化する木質の陰影を計画に組み込むことで、空間の表情が日々変化するように工夫しています。

木質空間が居住者と地域をつなぐ
エントランスは単なる通過空間ではなく、住まい手が日々立ち戻る場であり、まちと住まいとの接点でもあります。
まちの側からも木の存在が視認できるよう開かれた構成としたことで、建物のプライバシーを保ちつつも、公共性も有した風景への貢献も果たしています。それは「まちの景観」としてのエントランスを考えることでもあり、建築を自己完結させず、都市との関係性のなかに存在する意義でもあるのです。
