太陽光発電を無料で設置する方法｜仕組みやプランの種類、メリット・デメリットを解説

「電力販売（PPA）」「リース」「屋根貸し（屋根借り）」の3つを知っていますか？これらは、太陽光発電を無料で設置する方法です。これらの方法を利用することで、自宅に初期費用0円で太陽光発電の設備を設置できます。この記事では、太陽光発電に興味がある、設置したいと考えている人に向けて、太陽光発電を自宅に設置することのメリット・デメリット、設置方法を解説します。参考にしてください。

太陽光発電が無料設置できる仕組み

住宅に太陽光発電を設置するには、通常、100万円以上かかると言われています。ところが、太陽光発電の設備を自分で所有するのではなく、太陽光発電事業者が所有者になってもらう方法を利用することで、無料で設置できます。初期費用0円で設置できる代わりに、事業者と契約した期間で設置費用を回収し、以降は利益を出す仕組みになっています。初期費用をかけずに太陽光発電を始めたい人に最適です。

無料設置のプランは3種類

無料設置のプランは、「電力販売（PPA）」「リース」「屋根貸し（屋根借り）」の3種類です。それぞれを解説します。

電力販売（PPA）

PPAとは、Power Purchase Agreement（電力販売契約）のことです。契約者は自宅に太陽光発電の設備を設置しますが、そこで発電された電気はPPA事業者（太陽光発電の設置・太陽光発電設備の所有、管理を行う会社）のものとなり、契約者はその電気を使用した分だけ購入する仕組みです。契約した期間を経過すると、太陽光発電の設備は契約者の所有物になります。
※PPAは「PPAモデル」や「第三者所有モデル」ともいわれております。

リース

契約者は、リース事業者から太陽光発電の設備を借りて自宅に設置します。契約者は事業者にリース料を支払いますが、発電された電気は契約者のものになります。そのため発電した電気を使用するのに費用がかからず、余剰分の電力は売って収入を得ることができます。契約した期間を経過すると、太陽光発電の設備は契約者の所有物になります。

屋根貸し（屋根借り）

契約者は、自宅の屋根を事業者に貸し出すことで、賃料を受け取れる仕組みです。そこで発電された電気は全て事業者のものとなるため、災害時以外は通常の電気として利用できず、また、契約期間後に太陽光発電設備が契約者の所有物になることもありません。

太陽光発電を無料設置するメリット

自宅に太陽光発電を無料設置するメリットについて、解説します。

100万円以上かかる初期費用が0円になる

太陽光発電を導入する初期費用を0円にできるのは、大きなメリットです。通常、太陽光発電の設備費用や工事費用など初期費用として100万円以上かかります。無料設置の仕組みを利用することで、金銭的な理由で諦めることなく、導入できます。

※参考：太陽光発電の設置費用はどのくらい？｜Selectra
（ https://selectra.jp/environment/guides/solar/cost ）

電気代の節約につながる

太陽光発電事業者によっては、設備の無料設置に併せて格安の料金プランを用意しているところがあり、電気料金が安くなります。また、自宅で発電した電気を一定量まで無料で利用できるプランを用意している事業者もあります。

メンテナンス費用がかからない

太陽光発電は、定期的な設備メンテナンスが必要になります。契約した期間中は、事業者がメンテナンスや修理にかかる費用を負担してくれます。初期費用に加え、この維持費用が0円になるのも大きなメリットです。

契約終了後に無償譲渡される

電力販売（PPA）とリースについては、契約した期間を経過すると、太陽光発電の設備は契約者に無償で譲渡されます。契約期間は事業者によりますが、多くの場合は10年〜20年間です。譲渡後は、余剰分の電力を小売電気事業者に販売して、収入を得ることもできます。

太陽光発電を無料設置するデメリット

太陽光発電の無料設置には、デメリットもあります。具体的にどのようなデメリットがあるか、解説します。

設置前に審査がある

太陽光発電事業者は、無料設置した太陽光発電が長期間にわたって安定的な電力量を生み、それを売電できなければ事業が成り立ちません。そのため、太陽光発電の設備設置前に、「発電のシミュレーションで一定量以上の発電量を見込めるか」「設置できる屋根形状か、十分な面積はあるか」「設置する地域の積雪量は一定量以下か」など、審査されます。審査を突破できなければ、希望しても設置できません。

途中解約すると違約金が発生する

無料設置時には、太陽光発電事業者との間で期間を決め契約します。契約期間の途中でも解約することができますが、途中解約すると違約金が発生します。無料設置の契約は10年で締結されることが多く、そのケースにおいては途中解約すると、契約者は損をすることが多いです。

契約終了後の撤去に費用がかかる

前述した「契約終了後に無償譲渡される」ことはメリットですが、デメリットとなる面もあります。それは、譲渡後は自己所有になるため、撤去する際には費用がかかることです。撤去費用は15万円〜数十万円ほどです。

※参考：事前に把握しておきたい！ 太陽光パネルを撤去する方法と費用について｜スマートでんきコラム
（ https://www.smart-tech.co.jp/column/solar-power/removal/ ）

太陽光発電を無料設置する方法

太陽光発電を無料設置する方法について、申し込みから利用開始までの手順を解説します。

事業者に申し込む

太陽光発電の無料設置を行っている事業者を検討し、希望する事業者に申し込みます。住宅メーカー・工務店によっては、住宅設計時や建設中に最適な事業者を教えてくれたり、設置の申し込みができたりします。

図面審査・現地調査

申し込み後、事業者が設定した設置条件を満たしているか、審査が行われます。最初は建物の図面での審査があり、通過すると現地調査が行われます。屋根の状況や周辺環境などの調査をもとに発電シミュレーションが行われ、全ての条件を満たしていると判断された場合は、事業者から見積もり（費用）とプランなどが送られてきます。

契約締結

事業者の見積もりとプラン、発電シミュレーションなどの内容に納得できたら、プランを確定し、事業者との間に正式な契約を結びます。

経済産業省への事業計画認定の申請

設置した太陽光発電でつくった電力を電力会社に売るためには、経済産業省の認可と電力会社への申し込みが必要になります。これは、2021年4月1日に太陽光発電設備の基準として「発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令（令和3年経済産業省令第29号）」にもとづく、決まりごとです。事業者によっては、代理申請してくれるところもあります。

設置工事

太陽光発電の設置工事が行われます。屋根に太陽光パネルを設置する工事に加え、パワーコンディショナーなどの関連機器の取り付け、電気配線工事も同時に行われます。

利用開始

全ての工事が完了した後、確認作業が行われます。正常な作動が確認できた後、正式に引き渡されます。電力会社との受給契約をはじめとした各種手続きが完了後、利用開始となります。

太陽光発電を無料設置できる事業者

太陽光発電の無料設置を提供している事業者を、いくつか紹介します。

シェアでんき

シェアでんきは、株式会社シェアリングエネルギーが提供するPPAサービスです。2018年2月のサービス開始以来、「初期費用無料」「日中の電気料金が最大2年間無料」などの特徴がユーザーに受け入れられ、2021年3月時点で契約件数は全国で1000件に上ります。

ちゃんとGood！サービス

ちゃんとGood！サービスは、京セラ株式会社と関西電力株式会社の合同会社である京セラ関電エナジーが、東京電力・中部電力エリアの戸建て住宅向けに提供するPPAサービスです。契約者は10年間の契約期間中は、発電した電気のうち使用した分の電気料金を京セラ関電エナジーに支払うことになります。独自の電気料金プランが特徴です。

エネカリ

エネカリは、TEPCOホームテック株式会社が提供するリースサービスです。初期費用0円、月々定額の利用料のみで太陽光発電を始められます。太陽光発電と蓄電により電気の自家消費を目指す人向けのプランや防災と節約を兼ね備えたプランなど、さまざまなニーズに合わせたプランが用意されています。

まとめ

太陽光発電の無料設置は、電気代の節約につながるなどの複数のメリットがありますが、誰もが可能なわけではなく、事業者が設定した設置条件を満たす必要があります。設置条件には、屋根の形状なども大きくかかわってくるため、新築時に検討するのがおすすめです。

日本ハウスHDでは、ソーラーパネルや蓄電池の設置をパッケージでご提案する3S（Self-Sufficient System：自給自足）システムをご用意している他、太陽光発電を無料設置できる事業者（シェアでんき）と提携しています。ぜひご相談ください。