施工事例

自然素材の家

自然素材の家

古い家の思い出を新しい家に
巧みに取り込んだ和風住宅

静岡県静岡市・T様邸

家族構成
ご夫婦・子ども1人・お母様
敷地面積
555.47m²(168.06坪)
1階床面積
141.00m²(42.56坪)
2階床面積
62.00m²(18.72坪)
延床面積
203.00m²(61.28坪)
用途地域
第一種住居地域

家づくりへの思い
歴史ある家の記憶を未来につなぐ

T様邸は、七代続く200年もの歴史を持った旧家です。
老朽化したことと、現在のライフスタイルにも合わなくなったことから、家の新築が計画されました。
新築の敷地は、道路を隔てて古い家の向かい側にある広い畑地。畑に植えてあった桜やレモンなどの木をできるだけ切らないように建物配置に工夫をこらしました。
いまでは、春になると桜の花が門のところで訪れる人を迎えてくれます。リビングからは、レモンの木の果実がしだいに黄色に色づいていくのが眺められます。

玄関の吹き抜けに架けられた古材

玄関の吹き抜けに架けられた古材が 訪れる人を迎えます

古くからある木々を残しながら趣きのあるアプローチ

古くからある木々を残しながら趣きのあるアプローチに

基本コンセプト
使い方によって形を変える可変空間

リビングとダイニング、そして、茶の間の3部屋がコの字型につながる広いスペース。オープンにして使用することもできますし、3部屋に仕切って使えるように引き込み建具が使われています。
実はT様は今回、家を新築するときに実現したかったことが、もう一つありました。それは二間続きの和室。
「昔の家には10畳の二間続きの部屋がありました。あこがれというか、自分もいつか家を建てるなら二間続きの和室が欲しいなんて考えていました。でも家族にはあまり使わないのにと大反対されて、断念しました」
二間続きの部屋をちがう形で実現したのが、このリビングとダイニング、そして、茶の間の3室を連結して使える設計。これにはT様も大満足。しかも、新しい茶の間には古い家の板戸が伝統の存在感をしっかりと主張しています。

3室をオープンにすることができるリビングとダイニング、和室

リビングとダイニング、和室の仕切りは引き込み建具で3室をオープンにすることができます

住み心地
世代を超えた住みやすさを実現

T様邸は自然素材を愛しむ心であふれています。リビングとダイニングはナラの無垢のフローリング、建具も無垢。それが居室を清々しくしている一方、黒光りする年代物の板戸が重厚なコントラストを見せています。
思い出を残しながらも、太陽光発電システムを搭載し、キッチンは最新のオール電化システムを採用しています。「家族の誰もがスイッチひとつで操作できて安全なのがいい」とご夫婦。最先端のエコロジカルな暮らしを実現しています。
リビングと玄関を挟んで反対側には、仏壇の置いてある和室。 この和室の襖には江戸唐紙(からかみ)を使用。落ち着いた雰囲気を演出しています。障子はガラス部分が低い位置につくられたオリジナル。「これは、庭を見るためのものです。座布団に座って庭全体が見渡せるようにと、目線の高さにガラスをはめ込みました」とT様。
T様ご一家は、現在は、ご夫婦と高校生のお嬢さん、そして、K様のお母様の4人家族。
高齢のお母様の居室へは玄関から直接、廊下でつながっています。
お母様の居室にはトイレも小さなキッチンも付いていますので、テレビの音など、他の家族の影響を受けることもなく静かに暮らすことができるように工夫されています。
新しいものと古いものが見事にマッチングした新しい和風住宅は見ごたえ一杯です。

歴史を物語る古い家の板戸を活かした和室

歴史を物語る古い家の板戸を活かした和室

キッチンはオール電化。ご高齢のお母様にも優しい設計です

キッチンはオール電化。ご高齢のお母様にも優しい設計です

T様のアイデアでつくられたオリジナルの「庭見障子」

T様のアイデアでつくられたオリジナルの「庭見障子」

T様邸は太陽光発電を搭載しエネルギーを自給自足する家です

T様邸は太陽光発電を搭載しエネルギーを自給自足する家です

設計担当者のコメント

T様のご希望は、「基本的には想い出のある古いものを残したい」ということ。二間続きの和室というご要望はお答えできませんでしたが、大黒柱と梁、そして、建具の一部を活用した点にはご満足いただけたと思います。敷地的な制約もなかったので古い樹木も切らずに門のところや庭の一番いい地に配置できたのは我ながら成功と思っています。

見て聞いて触れて体感しよう!


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