住まいのコラム

長期優良住宅の認定基準とは?耐震等級を取得するメリット・デメリットも解説

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新築住宅を建てるなら、長い期間、安心して暮らせる家にしたいと考える人は多いでしょう。新築住宅は高額なので、慎重になるのは当然です。そこで今回は、長く住める優良な新築住宅を建てたいと考えている人向けに「長期優良住宅」をご紹介。長期優良住宅の条件や耐震等級、取得するメリットやデメリットについても解説します。ぜひ参考にしてください。

長期優良住宅とは

長期優良住宅とは

長期優良住宅とは、長期に渡って良好な状態で住み続けられる住宅のことです。「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に基づき、所管行政庁に認可された住宅が長期優良住宅となります。長期優良住宅認定制度の始まりは、新築が平成21年、既存住宅の増築・改築の場合は平成28年です。地球環境へ悪影響を与えるスクラップ&ビルド社会から、手入れをしながら長く大切に使うストック活用型社会への転換を目的として施行されました。令和2年度末で累計120万戸以上の住宅が認定を受けており、新築される戸建住宅の約4戸に1戸は長期優良住宅の認定を取得しています。長期優良住宅に認定されると、補助金の支給や税の優遇措置など、金銭面のメリットを享受できます。更に令和4年10月から優良な既存住宅について増改築行為がなくとも認定(維持保全計画のみで認定)できる仕組みが創設されています。

長期優良住宅の認定条件

長期優良住宅の認定条件

長期優良住宅の認定を受けるためには、9つの認定基準を満たす必要があります。又、令和4年10月からの改正法により「災害配慮基準」も創設されています。それでは順に確認していきましょう。

※9つの認定基準以外にも、災害発生のリスクのある地域は、リスクの高さに応じて、所管行政庁の定めた措置を講じる必要があります。

耐震性

耐震性は「極めて稀に発生する地震に対し継続利用のための改修を容易にするため、損傷レベルの提言を図ること」と定義されています。
更に近年、断熱材や省エネ設備の設置などにより、木造建築物が重量化。壁量計算等で構造安全性を確認している木造建築物の安全性を確保するため、必要な壁量等の構造安全性の基準を整備することとされ、以下の通りとなりました。

耐震等級について、詳しくは後述します。

参照:一般社団法人 住宅性能評価・表示協会「長期優良住宅認定制度の概要について【新築版】

省エネルギー対策

省エネルギー対策としては、必要な断熱性能などの省エネルギー性能が備えられているかどうかです。そして断熱等性能等級5の基準を満たす必要があります(令和4年10月施行)。断熱等性能等級とは、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」で定められた、省エネルギーに関する基準です。等級1から等級7(令和4年新設戸建てのみ)まであり、等級7が最高等級で認定には、等級5のZEHレベルの断熱性能が要求されます。加えて一次エネルギー消費量性能も住宅性能表示制度の等級6以上が必須となります。省エネルギー性能について詳しくは、国土交通省(住宅性能表示制度の省エネ上位等級の創設)をご参照ください。

劣化対策

劣化対策は、長期にわたって住宅の構造躯体が使用できることや、劣化対策等級3に加えて、床下点検口などの追加措置をとられているかどうかなどが定められています。劣化対策等級は、住宅性能表示制度で建物を評価する項目の一つで、等級3が最高等級です。木造と鉄骨造、鉄筋コンクリート造によってそれぞれ基準が異なるため、注意しましょう。

木造 床下空間の有効高さ確保及び床下・小屋裏の点検口設置など
鉄骨造 柱・梁・筋かいに使用している鋼材の厚さ区分に応じた防錆措置または上記木造の基準
鉄筋コンクリート造 水セメント比に応じて、かぶり厚さを規定

引用:一般社団法人 住宅性能評価・表示協会:長期優良住宅認定制度の概要について【新築版】

維持管理・更新の容易性

構造躯体に比べて耐用年数が短い設備配管に対しての点検・清掃などの維持管理が容易に行えること。さらに維持管理対策等級3以上が必要です。維持管理対策等級とは、住宅性能表示制度の「配管の清掃や補修のしやすさ、更新対策(維持管理・更新への配慮)」において評価される項目の一つ。等級は1から3まであり、等級3が最高等級です。

居住環境への配慮

居住環境への配慮として、建築をしようとする住宅が地域の景観を形成していて、住居環境の維持および向上に配慮されている必要があります。

維持保全計画

維持保全計画として、建築時から将来を見据えて定期的な点検・補修の計画が必要とされています。点検・補修の項目は次の3点です。

これらは10年ごとに点検する必要があります。

住戸面積

住戸の面積は、快適に暮らすために必要な面積を確保することを目的として決められています。具体的には戸建75㎡以上、共同住宅等は55㎡以上必要です。さらに1の階の床面積は40㎡以上なければなりませんが、地域によって所轄行政庁が別に定める場合もあります。ただしその場合でも、戸建は床面積の合計で55㎡以上、共同住宅等は40㎡以上の面積要件をクリアする必要があります。

可変性

可変性はライフスタイルの変化に応じて、間取りの変更が可能かどうかを問われます。例えば家族が増えたときに部屋を区切るなど、柔軟に対応できるかなどです。共同住宅等にのみ適応され、躯体天井の高さは2,650mm以上と定められています。

バリアフリー性

バリアフリー性として、将来のバリアフリーに対応できるよう、共用廊下などに必要なスペースを確保する必要があります。例えば出入り口や廊下は広くしてあるなどです。可変性と同じく、戸建住宅には適応されず、共同住宅等が対象となります。

耐震等級とは

耐震等級とは

耐震等級とは住宅の耐震性能を示す指標の一つです。等級が高くなるほどより大きな力に耐えられます。等級は3段階のレベルに分かれており、最高等級は耐震等級3です。住宅に関する知識のない人にも分かりやすい基準として、広く使用されています。

耐震等級1

耐震等級1は、震度6から7程度の地震で倒壊しない、また震度5程度の地震で住宅が損傷しない程度の耐震性能です。注意点として挙げられるのが、震度6から7の地震では倒壊しないとはいえ、大幅な改修工事が必要になる可能性が高いということでしょう。

耐震等級2

耐震等級2は、耐震等級1の1.25倍の強度が求められます。災害時の避難場所として指定されている学校や病院などの公共施設は、耐震等級2以上が必須の条件です。同じく、長期優良住宅の認定を取得するためにも、耐震等級2以上(構造計算を実荷重で計算し、基準を満たした場合に限る)が必要になります。一般的な戸建の耐震住宅では、耐震等級3以上を設定することを推奨します。

耐震等級3

耐震等級3は、耐震等級1の1.5倍の強度が求められます。住宅性能表示制度で定められた等級の中で最高等級とされ、複数にわたって震度6から7程度の地震が起きても、倒壊や崩壊を免れる耐震強度です。災害時の救護活動や災害復興の拠点となる、消防署及び警察署の多くは最高等級である耐震等級3と同じ考え方で建設されています。最高等級である耐震等級3をしっかり取得することで長期優良住宅の認定条件をクリアし、安心できる住宅となるでしょう。

耐震等級を有するメリット

耐震等級を有するメリット

耐震等級を取得すると、地震に強くなるという物理的な効果以外に、金銭的なメリットもあります。

地震保険が割引される

地震による損害は火災保険の範囲から外れてしまうため、いざという時のことを考えるなら、地震保険に加入する必要があります。耐震等級1以上の建物は、火災保険の割引はないものの地震保険は割引の対象です。割引の割合は耐震等級によって異なり、耐震等級1で10%、耐震等級2で30%、最高等級の耐震等級3で50%の割引率が適応されるため、通常より安い費用で保険を契約できます。

地震保険は火災保険とセットで加入が必要

火災保険は不要と考えていても、地震保険は単独では契約ができません。地震保険に加入するためには、火災保険とセットで契約する必要があります。ただし先に火災保険のみ契約している場合、後から地震保険を契約することは可能です。

住宅性能評価書が取得でき、高い資産評価が得られやすい

住宅性能評価は「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づく評価制度です。国内で供給される住宅の質を上げ、性能を統一化することで、誰でも建物の状態を分かりやすくすることを目的に施行されました。この住宅性能評価の制度を利用するためには、耐震等級は必須です。一般的に中古物件は性能や劣化の判断がしにくいため、評価が不当に下がることもあります。住宅性能評価書があると売却時にも正当な評価が得られやすくなるでしょう。

住宅ローン(フラット35)の金利が優遇される

長期優良住宅の購入で住宅ローンを利用する際、住宅金融支援機構のフラット35では、年0.75%の金利を5年間引き下げる制度の他、返済期間を最長50年とし、月々の返済負担額を抑えるフラット50を利用することも可能です。
更にフラット35S(ZEH)と併用した場合は、年1.0%の金利を5年間引き下げることも可能です。その他、等級による地震保険の割引があったり、国からの補助金、税の特例措置が拡充しており、住宅ローンに関して十分なメリットを享受できます。

参考:住宅金融支援機構【フラット35】

耐震等級を有するデメリット

耐震等級を有するデメリット

耐震等級についてのデメリットを知ることも大切です。デメリットを許容できるかどうかで、耐震等級の取得を検討しましょう。

間取りに制限が生じる

耐震等級が上がるほど、間取りに制限が生じてきます。特に最高等級である耐震等級3では、耐力壁を多く取り入れる必要があり、柱や梁が太くなるなど制約が多いです。ただし吹き抜けに関しては、階段とつながっていない、家の中央に位置するなど、一定のルールを守れば最高等級の耐震等級3であっても導入可能です。

費用がかかる

長期優良住宅に必要な耐震等級2(構造計算を実荷重で計算し、基準を満たした場合に限る)と3は、住宅性能評価機関または所管行政庁の審査に合格する必要があり、費用が20〜30万円程度かかってしまいます。

耐震等級は災害リスクを減らす一つの手段

耐震等級は災害リスクを減らす一つの手段

高い耐震等級を有している住宅なら、地震や災害の被害を受けないというわけではありません。台風をはじめ、災害による被害のレベルは土地や地形などの周辺環境も大きく影響します。耐震等級は、あくまでも住宅性能の基準となる目安の一つと認識することが大切です。その上で、災害リスクを減らす有効な手段として、他の要素とともに取り入れると効果があるでしょう。

まとめ

まとめ

耐震等級2(構造計算を実荷重で計算し、基準を満たした場合に限る)や最高等級である耐震等級3を取得し、長期優良住宅の認定を取得すれば、地震や災害への備えになります。さらに建物の価値を上げ、住宅ローンの金利が下がる金銭的なメリットも享受できるでしょう。しかし、建物の間取りに制限が生じ、認定の審査には建築代金以外の費用が発生します。メリットやデメリットを比較し、最適な選択をしましょう。

日本ハウスHDは、地震に強い「新木造ストロング工法」を採用しており、長期優良住宅の認定を取得した建物に関して構造躯体60年保証に対応しています。直営工事や耐震施工、一貫した担当窓口や、アフターサービスの充実などに強みがあり、自由度の高い施工に応じられます。興味がある方は、カタログ請求、ご来場予約がおすすめです。