隈研吾×日本ハウスHD檜の家 50周年記念モデルハウススペシャル対談

隈研吾

隈 研吾

建築家

成田和幸

成田 和幸

日本ハウスホールディングス・グループCEO兼
(株)日本ハウスホールディングス代表取締役会長

100年、1000年先まで輝きを放ち続ける檜の家

コンセプトモデルその概要や設計の意図について

モデルハウス

成田当社の50周年記念事業として、木造を理解して頂けるNo.1の「建築家」隈先生に、何とかお願いできないかと八方手を尽くし、隈先生と面識のある銀行の方にご縁を頂き、依頼を受けて頂ける運びとなりました。依頼条件は「檜」をテーマに近未来の家の設計、デザイン、家具に到るまで、すべて隈先生にお願いさせて頂き、この3月3日(土)にはハウジングプラザ瀬田展示場内にオープンする運びとなりました。

日本の発想が持っている技術である、木の構造のシステム、それを50周年に合わせて象徴的に見せたいと思いました。やはり日本の匠っていろいろ世界と仕事をして圧倒的に世界一だと思います。木を正確に組んでいってしかも強いものを作る。この日本技術の粋を体感してもらえるような、ただビジュアルだけでなく、ここに入ったら体が日本の技術のすごさを体感できる、そういう家が日本ハウスHDさんの50周年にふさわしいものだと考えました。

2000年ぐらいから、ちょうど世界中で、木に関する関心が高まっています。これは地球環境に対する問題が一つにあり、木を使うということが地球環境を良くするということ。木は中に二酸化炭素を固定するので、周りで空気中の二酸化炭素を減らすことができるんです。それから木で、森林の自然な循環を取り戻すことが、洪水を減らす、緑が増えるなど国土にとってもいいメリットを増やすことができるわけです。人間にとっても、人間が精神的に木を必要としている、みんなストレスで疲れている社会で木を見ると癒されることなどが、今や世界的潮流になってきています。

隈研吾氏の建築観と日本ハウスHDの住まいづくりについて

モデルハウス

そして木の本家は日本ですから、日本でその見本をきちんと見せないといけないのではないか、と思い始めたわけです。それは建築家としての理念に大きな影響を与えていると思います。ちょうど2000年ぐらいから、これまでのコンクリートによる似たような建築を、これからの環境にあった建築に作り変えなければいけないという考え方の中で、木が見直されてきたのです。建築のデザインもその頃から大きく変わってきたと思います。やはり建築の主役は人間だ、というように、理念は大きく変わってきているのではないでしょうか。こんどの新国立競技場も、大きな建物なのですが、いかに木をたくさん使えるか、ということにチャレンジしていますし、そういう理念の変化がいろいろな建物に現れてきていると思います。日本ハウスHDさんが、日本の気候風土に合っていて健康にもいい檜に徹底的にこだだわってこられたのも、まさにそういった理念の表れではないでしょうか。

そしてもうひとつ、この家でぜひ注目していただきたい点があります。檜の美しさにも通じるのですが、日本人は同じ寸法の組み合わせによって美を作ってきました。今回のこの家も全体をみていただくと、ほとんどを4寸木組みで作っていながらいろいろな効果が生まれています。単純さと多様性とでもいうような。そこが日本の木造の一番すごいところで、この美に勝てる木造建築は世界にもないと思います。それは日本人以外の人が見るときっとびっくりするはずです。ぜんぶの木のジョイントを見ていただくとわかるのですが、そのジョイントの正確さ、同じ寸法の木がピシッと組み合わさっていることによって作られる、ミニマルな、非常に切り詰めた美学をぜひ味わっていただきたいと思います。そしてこの美学と、檜の魅力を知り尽くした日本ハウスHDさんの姿勢がひとつになって、これからの家づくりの先駆者となることを願っています。

「檜」の魅力、日本人と檜のつながり

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成田「檜」は建材だけでなく、古くから日本人の文化や「心」に浸み込んできた木材と言えるのではないでしょうか。暮らしや生活の中では「檜風呂」「檜舞台に立つ」など、昔から一流な物事の代名詞となってきました。しかし、最近では檜の事があまり知られていないようにも感じます。

大学の実験では、人の健康にも良いことが証明されてきています。そういった「檜の良さ」をもっと多くの方に知っていただきたいと思います。

私たちは、檜を世の中にもっと広めるさまざまな啓蒙活動をやっています。例えば檜の勉強のための教本を作り、本格的な認定試験を行う「檜ソムリエ」協会の設立です。この新たな協会のもとで、檜の新品の手入れなどさまざま事業を行っている人々を積極的にバックアップしていきたい。さらに檜の木材の会社や、檜風呂を作っている会社など、いろいろな企業といっしょになって檜の啓蒙活動を進めていきたい。そして、こうした未来を見据えた構想の中で、私が最も大切にしていることは、一本一本の木ではなく、山そのものから檜を育てていこうという企業としての姿勢です。

日本人にとって檜というのはまさに特別な木と言えるでしょう。他の木とは全然レベルが違っていて、その理由のひとつは檜の強度が別格であるということ。例えば建築時に構造計算をしてみても、他と比較して檜は圧倒的な強さを持っています。さらに檜の木目は、それこそ伊勢神宮に通じるような、日本人の精神性に合った特別な清らかさを感じさせます。この檜を日本ハウスHDさんがずっと大事にされているということ、特に山そのものから檜を育ててていこうというは発想に、私は強く共感します。檜という材料を中心として、山の環境をもう一回再生させる。そしてそこで働く人たちも再生させる。これができれば日本の力は何倍もアップすると思います。この檜にこだわり続けてきた日本ハウスHDさんに私は大きな期待を寄せています。

サステナビリティ(持続可能性)を考えた建築について

モデルハウス

成田今後も引き続き、「檜」にこだわり、日本の家づくりで、地震に強く、丈夫で長持ちする住まいを提供していきます。さらに自分で使うエネルギーは限りなく自分で創る、エネルギー自給自足の家を2020年に向けて普及させ、そして、何よりも安全・安心。健康で快適に安心して暮らせる住まいとサポート体制を目指します。

日本ハウスHDさんは、50年に渡る歴史の中で、一貫して日本のこころや伝統を尊重してきました。その一方で、日本の将来にとって何が必要なのかをしっかりと見据えた住まいづくりを提案していることが、素晴らしいと思います。近年、サステナビリティ(持続可能性)が重要なテーマとして挙げられていますが、本来の日本は、資源を浪費するのではなく、資源をうまく循環させる豊かな成熟社会でした。その意味でも、「木」はさまざまな意味でサステナブルな素材ですし、エネルギー問題についても、日本ハウスHDさんはサステナビリティというテーマに正面から挑んでいると思います。

成田大変心強い言葉をいただきました。本日は、どうもありがとうございました。

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